ミュージカルのレッスンでは、
同じ学年だけでなく、異なる学年の子どもたちが一緒に学ぶ場面があります。

年齢が違う子どもたちが同じ空間で歌い、踊り、演じること。
それは、ただ一緒にレッスンを受けるというだけではありません。
子どもたちにとって、たくさんの学びが生まれる大切な時間です。

年下の子にとって、年上の子の姿はとても大きな刺激になります。

振付をすぐに覚えて動いている姿。
大きな声で歌っている姿。
難しい場面にも前向きに取り組んでいる姿。

そうした姿を近くで見ることで、年下の子どもたちは自然と
「自分もあんなふうにやってみたい」
「もう少し頑張ってみよう」
という気持ちを持つようになります。

大人が何度も言葉で伝えるより、
少し年上の仲間の姿を見て学ぶことの方が、
子どもたちの心にすっと入ることがあります。

一方で、
年上の子にとっても、異学年で学ぶ時間には大きな意味があります。

年下の子が困っていたら、そっと声をかける。
立ち位置が分からなくなった子に、場所を教える。
振付を確認するときに、隣で一緒に動いてあげる。
初めての子が不安そうにしていたら、安心できるように近くにいる。

相手に伝える・教える場合、
まずは自分がしっかり理解できている必要があります。
そのうえで、どのように伝えると相手が理解できるか、
ということを考えながら、伝え方を学んでいきます。

そうした関わりの中で、
年上の子どもたちは「相手に伝えるためには」という意識を少しずつ持つようになります。

自分のことだけで精一杯だった子が、周りを見るようになる。
自分が覚えるだけでなく、誰かが困っていないか気づくようになる。
小さな子に分かりやすく伝えるために、自分の言葉で説明しようとする。
それは、レッスンの中で自然に育つ大切な成長です。

もちろん、年齢が違う子どもたちが一緒に学ぶからこそ、最初は戸惑うこともあります。

動きの理解の速さが違う。
集中できる時間が違う。
できること、苦手なことがそれぞれ違う。

でも、その違いがあるからこそ、
子どもたちは「自分だけではない」ことを知っていきます。

早く覚えられる子もいれば、時間をかけて覚える子もいる。
大きく表現するのが得意な子もいれば、少しずつ自信をつけていく子もいる。
前に出るのが好きな子もいれば、仲間を支えることで力を発揮する子もいる。

特に高学年になるほど、
「過去の自分もそうだったな」
「お姉ちゃんたちが助けてくれたな」
「私はこんな風に解決したよ」

と過去を振り返り、より素敵なアドバイスができるようになります。


異学年で学ぶことで、子どもたちは
自分とは違う年齢、違う個性、違うペースの仲間と一緒に作品を作る経験
を重ねていきます。

年下の子が年上の姿に憧れること。
年上の子が年下の子を支えること。
同じ場面を一緒に作る中で、互いの存在を認め合うこと。

その積み重ねが、クラス全体の空気を温かくしていきます。

また、異学年でのレッスンは、舞台づくりにも良い影響を与えます。

小さい子の一生懸命な姿が、
場面にかわいらしさやエネルギーを生むことがあります。
年上の子の安定した動きや表現が、
舞台全体を引き締めることもあります。
年齢の違いがあるからこそ、作品の中に奥行きや豊かさが生まれます。

子どもたちは、レッスンを通して
少しずつ自分の役割だけでなく、周りの役割にも目を向けられるようになります。

「この子がいるから、この場面が明るくなる」
「あの子が前で頑張っているから、自分も支えよう」
「みんなで合わせると、もっと良くなる」

そんなふうに、自分だけではなく、
仲間と一緒に作る楽しさを感じられるようになっていきます。

年上だからこそできること。
年下だからこそ生まれる魅力。
一人ひとりの違いがあるからこそ作れる舞台。


子どもたちは互いに刺激を受けながら、自分らしく成長していきます。






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