歌やダンス、お芝居のレッスンでは、初めて出会う動きや言葉がたくさんあります。
先生のお手本を見て、すぐに分かることもあれば、
「今、どうやったんだろう?」と戸惑うこともあるでしょう。
途中まではできても、その先が思い出せない。
質問したいけれど、何と言えばいいか分からない。
子どもたちにとっては、そんな場面も大切な学びの時間です。

大人はつい、「分からなかったら聞いてね」と言います。
でも、子どもたちにとって、
「聞くこと」は、思っている以上に勇気が必要な場合があります。

 「自分だけ分かっていないのかな」
 「みんなの練習を止めてしまうかな」
 「何が分からないのか、うまく説明できない」

そんな気持ちから、周りを見ながら何とか合わせようとすることもあるかもしれません。
一見、困っていないように見えても、
その子の中には小さな疑問が残っていることがあります。
だからこそ、できたかどうかに加えて、
子どもたちが安心して「分からない」を伝えられる関わりを大切にしたいと考えています。
最初から、きちんとした質問ができる必要はありません。

 「ここ、もう一回」
 「この次、何だっけ?」
 「先生、一緒にやって」

短い言葉でも、動きを指さすだけでも十分です。
自分が困っていることを誰かに伝える。
その一歩を受け止めてもらう経験が、次に尋ねるときの安心につながっていきます。

例えば、振付の途中で動きが止まってしまったとき。
「どこが分からない?」
という問いだけでは、答えに迷う子もいるでしょう。
そんなときは、
「手の動きかな? 足の動きかな?」と、
困っているところを一緒に探していくこともできます。

曖昧だった疑問が少しずつ言葉になり、
「足を出す順番が分からなかった」と気づける。
そこを確認して、もう一度踊ってみる。
こうしたやり取りには、
振付を覚えることとともに、自分に必要な助けを知るという学びがあります。

また、一人の「もう一度教えて」が、周りの子の助けになることもあります。
同じところで迷っていた子が、説明を聞いて理解できる。
質問する姿を見て、「自分も聞いていいんだ」と思える。
誰かの疑問をきっかけに、みんなの理解が深まることもあるのです。

「一人でできるようになること」は、もちろん嬉しい成長です。
その過程には、誰かに教えてもらったり、一緒に確かめたりする時間もあります。

学校や初めての場所、成長して新しいことに取り組むときも、
分からない場面には出会います。
そんなとき、
 「教えてください」「ここを手伝ってほしい」
と伝えられることは、自分を支える大切な力になると考えています。

ミュートレのレッスンが、子どもたちにとって、
疑問を安心して言葉にできる場所でありたい。

歌えた、踊れた、セリフを覚えられた。
その喜びと同じように、
勇気を出して言えた「もう一度教えて」も、
大切な成長として受け止めていきたいと思います。






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