レッスン中、
「背筋を伸ばして」
「足音を小さくして」
と伝えても、
子どもたちには何をすればよいか分かりにくいことがあります。
一生懸命やっているのに、動きが変わらない。
それは、子どもが話を聞いていないのではなく、
私たちの言葉から動きを思い浮かべられていないのかもしれません。

たとえば、背筋を伸ばしてほしいとき。
「姿勢をよくしてね」
だけで伝わる子もいれば、
 「お姫様のお背中を見せて」
と伝えたり、
先生が丸い背中と伸びた背中を見せて、
「どちらが素敵に見えるかな?」
と聞いた方が分かる子もいます。

自分で違いに気づくと、次に踊るときにも
「あ、背中を伸ばそう!」
と思い出せるようになります。

年中さん・年長さんのクラスで、
ステップの足音がドシン・ドシン、と大きくなったことがありました。
「足音を小さくしてみよう」と伝えても、なかなか変わりません。
そこで、
「今の足音は、ゾウさんの足音?妖精さんの足音?」
と聞いてみました。
子どもたちは、
 「ゾウさん!」と。
そこで、
 「妖精さんなら、どんな足音で歩くと思う?」と聞いてみました。
すると、
子どもたちは足の置き方を工夫し、軽やかに動き始めました。
最初に説明したときには分かりにくかった動きが、想像できるものに変わったのです。

もちろん、全員に同じ言葉が伝わるわけではありません。
年齢だけでなく、これまでの経験や、分かりやすいと感じる方法も一人ひとり違います。
見本を見てつかむ子もいれば、一緒に動いてみることで分かる子もいます。
言葉を変えたり、実際に体を動かしたりしながら、その子に届く方法を探しています。

また、成長した子どもたちには、すぐに答えを教えないこともあります。
特に、中高生には
 「何ができていなかったか考えてごらん?」
 「この場面の気持ちは、声や動きにどう表れると思う?」
と問いかけ、自分で考えてもらうことも多いです。

伝えるときに大切なのは、先生が説明を終えることではありません。
子どもたち自身が
「どうすればできるようになるか?」を考え、
「こうすればいいんだ」と理解し、
自分で試せること
です。

そして、うまくいったときに
「今の動きができた!」と自分で気づけたら、
次の練習にもつながります。

一人ひとりの「分かった!」を引き出すために、どんな言葉なら届くのか。
子どもたちの表情や動きを見ながら、私たちも考え続けていきたいと思います。






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